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Vol.19 子どものトラブルと漢方(おねしょ)

最終更新日:2011年12月25日

コウイ さて、子育ての中で、親御さん達が苦労するちょっとしたトラブル、困りごとは、その子どもの年齢によっても少しずつ変わっていきます。以前「疳の虫」と漢方について少し触れました(vol.14参照)。赤ちゃんの時はいつも困っていた夜泣きも、大きくなるにつれお父さんお母さんの悩み事ではなくなっていきます。熱性けいれんと呼ばれる良性のひきつけも、通常は小学生までには起こらなくなります。しかし、大きくなるにつれ、また新たな心配事もでてきます。たとえば、おねしょ。小児科学的に説明すると、「5歳以上で夜間の尿失禁が週2回以上認められ、器質的原因(臓器の異常など)のない場合を夜尿症(やにょうしょう=おねしょ)という。夜尿症単独例は約80%で、その他は昼間遺尿、便失禁などを合併する。有病率は5歳児で20%、その後1年ごとに15%ずつ治癒する」ということになります。単純に計算すれば、5歳の子どもの100人に20人はおねしょをしている、その子達が9歳になった時点でもまだ、およそ10人はおねしょをしている、という具合でしょうか。私自身はおねしょをした記憶は全くありませんが(忘れているだけ?)、おそらく子ども達自身も苦々しい思いと、お母さん達のため息が思い浮かびます。「起こさず・焦らず・叱らず」の三原則のもとに摂取水分制限や排尿抑制訓練を行うのが、一般的な指導で、お薬としては、抗うつ薬や抗利尿ホルモン薬、抗コリン薬といった、聞き慣れないものを使うこともあり、敬遠される親御さんもいるでしょう。漢方ではどうでしょうか。小建中湯(ショウケンチュウトウ)柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)八味丸(ハチミガン)葛根湯(カッコントウ)白虎加人参湯(ビャッコカニンジントウ)補中益気湯(ホチュウエッキトウ)などが挙げられます。小建中湯柴胡桂枝湯は以前、虚弱体質のところ(vol.13)でも紹介しました。基本的に虚弱体質、もしくはストレスを受けやすいお子さんに、これらを使うと良さそうです。小建中湯は顔色が悪く冷えがあったり、おなかを触ると筋肉が緊張していたりする場合があります。柴胡桂枝湯も腹直筋が緊張していることを目標にすることがあります。八味丸は成人の尿トラブルにも頻繁に用いられます。昭和の漢方の大家は、疲れやすく運動神経の悪い子どもなどの夜尿症に使うと良いと記しています。葛根湯白虎加人参湯は感染症に使う話をしました(vol.18参照)。葛根湯に似た処方の麻黄湯(マオウトウ)を用いるという先生もいます。どちらかといえばこれらは比較的丈夫な子どもなのに寝起きが悪い場合や、白虎加人参湯は水分を取りすぎる場合に使うと良さそうです。

上記のように夜尿症のほとんどは自然に治っていきますが、それを漢方で後押ししてやるのは有効でしょう。

文責 三重大学附属病院漢方外来担当医・小児科専門医 高村光幸

 《参考文献》
今日の診療プレミアムVol.19 (C)2009 IGAKU-SHOIN
山本巌の臨床漢方(坂東正造、福冨稔明編著・メディカルユーコン)
漢方診療医典第6版(大塚敬節ら・南山堂)
漢方診療ハンドブック(桑木崇秀著・創元社)

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最終更新日:2011年12月25日

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