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Vol.7 気管支喘息と漢方(その3)

最終更新日:2010年12月25日

桔梗 前回、気管支喘息の病態にあてはまる漢方医学の症候に、喘証(ぜんしょう)および哮証(こうしょう)というものがあり、喘証ついてはお話ししました。今回は、哮証について少しお話しします。どちらかというと、哮証のほうがいわゆる喘息に近いかもしれません。

 哮証は、呼吸が苦しくなると同時に、水鳥が鳴くとか、蛙の鳴き声がするような、と表現される、ゼーゼー音のでることが特徴の症状を指します。喘息の音を、水鳥や蛙にたとえる表現は、現代とはちょっと違う感じがして面白いですね。コラムで何度も触れた「黄帝内経(こうていだいけい)」と呼ばれる古代の医学書には、哮証という名称はでてきませんが、喘鳴(ぜんめい)という記載がなされており、これは今日でも喘息のときのゼーゼー音を西洋医学的によぶ呼び方と同じです。

 哮証の原因は、呼吸器系にもともとたまった「痰」(たん、と読みますが、いわゆるたんに近い病理産物で、体内の水分が停滞している状態をあらわすものです)であったり、前にお話しした「邪」の侵入(コラムvol.2参照)であったり、飲食の不摂生であったり、気候の変化、極端な感情の変動、体力の消耗などと考えられています。飲食の不摂生は前回も喘証に関して記載しましたが、「酸味や鹹味(かんみ、塩辛いもの)をとりすぎることによって」も、症状がおこるとし、食哮とか、酢哮などとも呼ばれていた時代があったようです。このような原因で、発作的に起こった症状は、邪などを取り除く治療をしますが、度々発作を繰り返すなど、長期的、慢性的になった場合は、気(正気)を補う治療を行うことが必要です。すなわち、発作時は症状をとる治療、それ以外の時期は体質の改善を行う治療というもので「発時治標、平時治本」とよばれます。日本でのやり方は、コラムvol.5でも示したように、発作時は麻黄剤、緩解期は柴胡剤などを選択するのが一般的ですが、六君子湯(りっくんしとう)とか、八味地黄丸(はちみじおうがん)といった、通常呼吸器症状に使わなさそうな処方を用いて、その根本を治していくという治療が行われることもあります。

文責 三重大学附属病院漢方外来担当医 高村光幸

《参考文献》
標準中医内科学(東洋学術出版社)
いかに弁証論治するか(菅沼栄著、東洋学術出版社)

《写真提供》
株式会社ツムラさんのご厚意による

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福井市 福祉部 子育て支援課
電話番号:0776-20-5270/FAX番号:0776-20-5490
最終更新日:2010年12月25日

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