ルールを守るものは、ルールに守られる
ルールってだれのためにあるんだろう
我が家の生活の約束事やルールをつくる
子どもたちは、家庭でのルールや約束を守ったり破ったりしながら、人との関係の在り方や社会のルールの大切さを学んでいきます。
家庭のルールには、あいさつ、家に帰る時間、寝る時間、きちんとした姿勢などの生活上のルールもあれば、他人に迷惑をかけない、うそをつかないなどといった道徳上のルールもあります。
しつけに一貫性をもたせ、しっかりと身につけさせるためにも、夫婦がよく相談してはっきりしたルールをつくり、子どもとともに親もそれを守りましょう。また、子どもの意見を聞いて一緒にルールをつくるという姿勢も大切です。
子どもの言うことを何でも聞くことが親のやさしさとは限らない
子どもに我慢を覚えさせる
安易にモノを買い与え過ぎると、子どもは欲しいモノを手に入れるために努力したり、我慢したり、工夫したりすることができなくなります。そして、やたらとモノを欲しがり、自分の気持ちを抑えられなくなってしまいます。
ブランド品や携帯電話など、友達も持っているからなどといった理由で安易に買い与えないようにしましょう。欲しいと言ったら、なぜそれが必要なのか親子でよく話し合ってください。
子どものためを思うなら、お金より、心や愛情を使い、親子の関係を深めましょう。
テレビやビデオは使いよう
子どもが見るテレビやビデオをチェックする
テレビやテレビゲーム、ビデオにばかりのめり込むと、人間関係をつくる力や他人を思いやる心が育たない、仮想と現実の区別がつかなくなるなど、子どもの健全な心の成長に影を落としかねません。
特に、極端に暴力的な場面や露骨な性描写が盛り込まれたものは、親の判断で子どもに見せないようにし、それを家庭のルールにしましょう。
例えば、テレビゲームソフトを選ぶ際には、ゲーム内容によって対象年齢を表示するマークがあるので参考にするなどが考えられます。
その一方で、子どもに良いと思われる番組を一緒に見るなどして、その内容を話題に子どもとのコミュニケーションを深めましょう。
みんなそれぞれが世界でたった一つの命なんだ
子どもに命の大切さを実感させる
身近な人の死を目の当たりにすることが少なくなったり、殺人を繰り返すテレビやゲームなどで虚構の死に慣れたりして、命の重さやかけがえのなさを感じにくくなっています。
自然の中で遊ばせたり、動物や草花を大切に育てたりするなど、さまざまな生き物とその死にふれる機会を意識的に用意し、子どもに生命の尊さや大切さを実感させましょう。
また、亡くなった人の家族や傷つけられた人の気持ちを想像させるなど、その悲しみがどんなに深いものかを理解させましょう。
携帯電話やパソコンは使いよう
親が本を読んで聞かせる
携帯電話やインターネットは、使い方一つで、役立つ道具にもなれば、子どもの身を危険にさらす道具にもなります。外の世界とすぐに情報がつながることによって、見知らぬ危険な世界と子どもが直結してしまう可能性があります。
子どもが使用したいと言ってきたときこそ、話し合いのチャンス。「なぜ使用したいのか」などについて、親子で話し合い、納得した上で、使う・使わないを決めましょう。
使うときには、例えば、フィルタリング機能を設定する、携帯電話は寝るとき部屋に持ち込まない、夜10時以降は使わないなどの使用場所や使用時間、使ってよい目的などについて、それぞれの成長段階に合ったルールを家庭で決めましょう。また、マナーモードの使用などの公共のマナーや、知
らない人には個人情報は教えない、知らない人とは会わないなど、危険から身を守る方法についても、親がしっかり教えることが必要です。
情報モラルについて家庭で話し合いましょう
ウェブやメールなどのインターネットによるコミュニケーションでは、顔の見えない相手とのやり取りになるため、ちょっとしたことが原因でトラブルに発展してしまうことがあります。また、最近では、個人が特定されるような書き込みで誹謗(ひぼう)中傷を受けたり、悪口が書かれたメールが送ら
れたりする「ネットいじめ」などの例もあります。顔の見えない者同士のやり取りには、危険がともなうことがあったり、そのつもりはなくても相手を傷つけてしまうおそれがあることなど、日頃から子どもに教えることが大切です。
家庭でのルール例
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子どもを有害な情報から守るために
インターネット上には子どもにとって有害な情報が氾濫しています。子どもを有害な情報から守るための有効な手段の一つとして「フィルタリング」が挙げられますが、何より大切なのは、これらの活用と併せて、保護者がインターネットで子どもが何をしているかを見守ることです。
家事を手伝いさせたら、子どもがしっかりしてきた
責任感や自立心を育てる
子どもたちの自己中心的な言動や自立の遅れの背景には、自己責任の考え方が身についていないことがあります。とかく親は子どもを甘やかしがちで「自分のことは自分でする」などのしつけがされないことが多いようです。
例えば、年齢に応じておこづかいの額やお手伝いなどの家庭内のルールを決め、子どもの成長に応じて責任と自立を促していくことが大事でしょう。「自分の欲しいものを自分のおこづかいで買う」経験は、子どもたちにとってかけがえのないものです。
また、お手伝いは生きていく上で最低限必要な家事を学ぶ第一歩と言えるでしょう。買い物に行けるようになったり、家の中の整理整頓ができるようになることで、自信にもつながります。
子ども部屋を与えるときには、そのルールも与えよう
今日、子ども部屋の問題がいろいろと出てきています。
子どもが部屋に閉じこもると、親の注意が行き届かなくなったり、親子の会話が減ったりします。また、子ども部屋が犯罪の場になってしまう例もあります。
子ども部屋を子どもの成長に役立つようにするには、ルールが必要です。居間に顔を出してから部屋に入る、子ども部屋に鍵をかけない、友人は部屋に入れる前に親に紹介する、親はその責任として必要なときに子ども部屋に入るなど、子どもの様子をしっかり把握できるように、各家庭で子ども部屋のルールづくりをしましょう。
(文部科学省発行 「家庭教育手帳」より )