心も身体も大人へ 。
思春期・・・ 「思春期の子どもと向き合うために(文部科学省編集)」より |
心も身体も大人ではないけれど、全くの子どもでもない
思春期について理解を深めよう
思春期とは、身体の成長に心の成長が追いつかず、だれもが不安定な気分になりやすい時期です。「私は何なのか」「私はどう生きたらいいのか」などと自分に直面し、自分を見る「もう一人の自分」が意識されるようになります。小さなことで有頂天になったり、逆にひどく傷ついて落ち込んでしまったりします。異性への興味が高まったり、親や先生がうっとうしく感じるようになり、自分だけの秘密をもち始めます。
こうした心の変化に対し、身体では、体型全体の大人化が著しく進みます。女性では月経、男性では射精が始まります。また、抑えがたい性衝動が性非行を含むさまざまな問題行動の原因へとつながることもあります。
まず、「思春期」について親がしっかりと理解を深めましょう。
言うことを聞かないのは、子どもの自立が始まった証拠
親にとってみれば、「こんな子ではなかった、どうしたものか」ととまどうでしょう。子どもの複雑な思春期の始まりです。この時期は、子どもの大きな変化の助走期ともいえます。
この時期に子どもが言うことを聞かなくなっても、いたずらに動揺したり抑えつけたりする必要はありません。それは子どもの自立や親離れが始まった証拠です。むやみな干渉やお説教はできるだけ控えて、子どもの力を信じながら、あたたかく見守りましょう。ただし、腫れ物にさわるように接するのではなく、これまで以上に会話などを通じてかかわる努力が欠かせません。その際には、行動の結果にはきちんと責任が伴うことを自覚させることも大切です。
この時期は、友達の影響を受けやすい
子どもの友達を知る
思春期は仲間や友達の存在が、家族以上に重要になる時期でもあります。
家族よりも、友達同士のルールの方が大切になり、ときには親にうそをついてでも、友達同士のつながりを守ろうとすることもあります。それだけに友達からの影響は大きく、「いじめ」も問題になりやすいのです。
心配だからといって、子どもの行動を監視したり、根ほり葉ほり話を聞きだそうとする必要はありませんが、普段からの会話を通じて、子どもと友達の関係を理解するよう心がけましょう。
(文部科学省発行 「家庭教育手帳」より )