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Vol.25 漢方基本編(その1、漢方薬と民間薬の違い)

最終更新日:2012年6月25日

キジツ 早いものでこのコラムも前号で開設より丸2年が経ちました。もうしばらく連載される予定ですので、今後もおつきあい下さい。

 さて、この辺でちょっと基本のお話をしておきます。漢方薬ですが、いわゆる民間薬との違いは何でしょうか。よく「ウコンは身体にいいんですよね?」とか、「柿のへたはしゃっくりに効く漢方薬ですよね?」、「ドクダミのお茶を飲んでいますがこれも漢方ですよね?」などという質問をされます。実はこれらは、漢方薬とは言えません。民間薬の範疇です。漢方薬と民間薬、どちらも生薬からできていますが、漢方薬は原則、複数の生薬の組み合わせで成り立っており、民間薬のほとんどは単一の生薬からできています。ですから上のような、ウコンの粉末、とか、柿のへた、とか、ドクダミ茶、なんていうものは民間薬なのです。でも、ウコンは鬱金、柿のへたは柿蒂(してい)、ドクダミは魚腥草(ぎょせいそう、または重薬じゅうやく、十薬とも)という名前で、漢方薬にも含まれています。たとえば、柿蒂は丁香柿蒂湯(チョウコウシテイトウ)という14種類の生薬の組み合わせによる漢方処方を構成するひとつです。

 とはいっても、同じ生薬からなっているのに組み合わせの数だけの違いであれば、あまり大きな相違点ではありませんよね。実は、漢方薬と民間薬の決定的な違いは、前者は明確にその使い道が医学的に決められている(現代医学的にとは言いません。東洋医学的に明確に、という意味です)のに対し、後者は言い伝えなどにより口コミで伝承されている、といった点となります。もう少しわかりやすくいえば、漢方薬はプロ仕様でルールが厳格、民間薬はアマチュア仕様で使い方は曖昧、というわけです。漢方薬は長い歴史をかけて、東洋医学専門家(現代では西洋医学専門家も含め)が、その組み合わせの分量や服用方法、対象となる病態や使ってはいけない病態(禁忌)、不都合な使い方をしたときの対処法を、きちんと取り決めて書物に残しているものですが、民間薬はいわば一般市民のレベルで、○○がなんとかによい、程度のはっきりした根拠のない感じで伝えられていて、その明確な分量や服用方法、その他禁忌などがきちんと取り決められていないわけです。ですから、誰かが思いつきで身体に良さそうな生薬を数種類適当に混ぜて煎じたら漢方薬と呼べるかというと、それは漢方薬と言えないのです。

 したがって本来ですと、漢方の知識をもった医師や薬剤師の指導の下、適切な漢方薬を服用しないと、思わぬ有害事象(副作用)がでる可能性があるわけです。医師の処方した漢方薬でも、有害事象は一定の確率で起こりえます。しかしそこには対処法や治療法、予見する知識、出しにくくするルールがきちんと存在するわけです。現在幅広く薬局でOTC製剤(処方箋なしで買える薬)として漢方薬が売り出されていますが、知識のないまま健康食品とか民間薬のような感じで安易に服用していると、かえって身体に悪いかもしれないのです。実は健康食品や民間薬でも、ひどい有害事象にみまわれる例があります。いわゆるウコンの健康食品が、お酒で疲れた肝臓によいと思って服用していたら、かえってひどく重篤な肝機能障害を引き起こした事例を、私は実際にみています。その方は入院したのち、ちゃんと社会復帰されていますが、よかれと思って飲んでいるものが反対に身体に有害になる場合も残念ながらあるのです。

文責 三重大学附属病院漢方外来担当医・小児科専門医・医学博士 高村光幸

《参考文献》
症例でわかる漢方薬入門(新井信・日中出版)
医学生のための漢方医学基礎編(安井廣迪・東洋学術出版社)

《写真提供》
株式会社ツムラさんのご厚意による

お問合せ先

福井市 福祉部 子育て支援課
電話番号:0776-20-5270/FAX番号:0776-20-5490
最終更新日:2012年6月25日

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