みなさんの地域では「左義長」は行なわれますか?
小正月に、全国各地で行なわれている無病息災を願う火祭りの行事で、一年の始めにあたり、けがれを祓い清めて、暖かい春の到来とその年の豊かな収穫を祈ります。呼び方は「どんど焼き」「さいの神」「三九郎焼き」など地域によってさまざまです。福井では「さぎっちょ」とか「さぎっちょさん」と呼ばれています。また、「左義長」の語源には鞠杖(ぎちょう)(毬(まり)を打つ長柄の槌(ながえのつち))に由来するとする説や、鳥追い行事との関連で鷺鳥(さぎちょう)の意味とする説などがあるそうです。
福井市の「左義長」では、長い竹を三四本組んで立て、わらを積み縄で囲い、正月の注連縄や縁起物などを飾りつけた高さ約8~9メートルぐらいの立派な飾りが準備されます。そして、そこにその年飾った正月飾りや書き初め、子どもたちは竹に習字や折り紙などを飾りつけた物を持ち寄って焼きます。その火で焼いたお餅を食べると病気をしない、その火にあたると若返る、しめ飾りなどの灰を持ち帰り家の周りにまくとその年の病を除くなど言われています。また、書き初めを燃やす時に炎が高く上がると字がうまくなるとも言われています。
また、毎年2月最終土日にかけて行なわれている福井県勝山市の「勝山左義長」は全国でも有名で、平成20年2月に福井県の無形民俗文化財に指定されています。「勝山左義長」は、その言葉が初めて登場するのが1691年の文献とのことから、少なくとも300年以上前から続いているといわれています。「お囃子」「絵行灯」「作り物」「押し絵」「短冊」などが2日間かけて行われ、お囃子は「勝山左義長ばやし」とよばれ、市内に12基の高さ6mの見事な櫓が建ち、その上で、色とりどりの長襦袢を着て、三味線、しの笛、鉦(かね)で「蝶よ花よ花よのねんね まだ乳のむか 乳くびはなせ」という特徴のある唄にあわせて太鼓を打ちます。さらに、カラフルな色彩の短冊によって街中が装飾されます。