最近、街中のイルミネーションを「LED電球を○○個使用」などとPRしていて、電球等の主流を「LED」のように思われがちですが、皆さん、「LED」のことをどのくらいご存知ですか?
「LED」とはLight Emitting Diode(発光ダイオード) の略で、電流を流すと発光する半導体素子の一種です 。
皆さんがよく耳にしているLEDは、「LED照明」や「LED電球」で、懐中電灯や乗用車用ランプ、電球型照明、スポットライト、常夜灯、サイド照明、街路灯、道路照明灯などに使用されています。
◆◆ LED照明の特徴 ◆◆
長寿命・ローメンテナンス
白熱灯などの従来光源に比べて寿命が長く、家庭向けのLED電球の場合だと多くは定格寿命4万時間(1日8時間点灯で13~14年)というスペックのものが多く、一度設置すれば電球交換のような保守の手間が省けることになり、部品や器具の購入コストも削減。
白熱電球・・・定格寿命が1000〜4000時間 電球形蛍光灯・・・6000〜1万3000時間 LED電球・・・4万時間 |
低消費電力・低発熱性
供給される電力の多くが発光に使われ、つまり発光効率が高いために、従来の白熱照明と同じ明るさを作るのに必要な電力が少なくて済む。消費電力が少ないということは、従来では熱となって失われていた電力分の発熱が少なくて済み、低発熱であれば、もちろんCO2排出量も減る。
白熱電球・・・40Wや60Wとかなり消費電力が高い 電球形蛍光灯・・・8W(白熱電球40W相当)、12W(白熱電球60W相当)くらい。 LED電球・・・4~5W(白熱電球40W相当)、7~8W(白熱電球60W相当) |
点灯時間
LED電球は電球形蛍光灯に比べて、スイッチを点けてから明るくなるまでの時間が短い。LED自体が半導体なので、スイッチを入れればすぐに点灯する。点滅に対する耐久性も高いため、頻繁なON・OFFの繰り返しも可能。また電球形蛍光灯は気温が低いと明るくなるまでの時間のが遅くなる傾向があるが、LED電球はそのようなことがない。
耐衝撃性
電球や蛍光灯では、落として割れるとガラスが飛散して危険なこともあるが、LED電球は表面が樹脂製のカバーになっているケースがほとんどであることと、真空やフィラメントを必要としないため、衝撃に対して比較的強い。
高価格
白色を放つ高輝度LEDの製造には高価な半導体製造装置と高度な技術が必要とされ、LED照明そのものの生産・販売数が少ないことが高価格である理由の1つとなっている。また、電源回路を必要とし放熱板や配光用のレンズ、散乱パネル等も器具全体を高価格にしている。
重さ
LED電球は電球の中に電源回路などが入っているため、重量が100〜200グラムと従来の電球よりかなり重い。
指向性
LED電球は全体が光るわけではないため、光の横方向への広がりや器具後方への回り込みが少なく、同じ60W型でも、蛍光灯に比べると暗い。特に壁面などに取り付けると部屋が暗く感じられる。また、狭指向であるので、電球のように柔らかくて広がる光を出すことが難しい。
ただし、最近のLED電球は球面に光を拡散する処理を施し、光の広がり方を調節しているものが増えてきた。しかし、まだ指向性は高く、全体が明るくならない。
その他
有害な水銀を使っていない。
発光色を容易に変えられる。
赤外線を出さないことで対象に熱を伝えないため植物にもとてもやさしい。
紫外線を出さないことで書類が紫外線によって色あせを起こすこともないし、虫も集まりにくくなる。虫が寄ってこない。
高輝度化に伴う人体への影響がまだ不明確。
このような特徴を考えると、エコや省電力などの言葉に惑わされ、むやみにLED電球に替えるのではなく、LED電球のメリット、デメリットをよく見極めた上で、適材適所で使うことをおすすめします。
(例)交換しにくい場所のライトや常夜灯など点けている時間が長い場所のダウンライトなら、LEDの特徴も活かせるが、明るさそのものを求めるなら、電球型蛍光灯の方がよい。