離乳食がある程度進んだ頃から、自分で食べ物をつかんで、つぶしたり、投げたり…いわゆる「遊び食べ」がみられることがあります。
このような子どもの行動は、一見ただ遊んでいるように見えますが、食事に興味を持ち、自分で食べることに挑戦している成長のしるしです。手で食べ物の感触を確かめ、口に運び、口の中で味や舌ざわりを確認するという一連の動作を繰り返すことにより、自分で食べる練習をしています。上手に食べられるようになると、少しずつ遊び食べは減ってくるでしょう。
子どもの成長過程に合わせて、少しずつ食事と遊びの「けじめ」をつけながら対応していきましょう。気に入らないと反抗して、「食べない!」と大人を悩ませるような行動がみられることもありますが、ひとつ一つの行動や反抗にむきにならず、子どもの気持ちや行動を受け入れてあげましょう。大人が叱ることは、子どもがますます反抗して逆効果となります。また、食べないからといって、無理に食べさせることは、食べることにますます意欲を示さなくなってしまいます。
声かけをしたり、一緒に食べたり、コミュニケーションをとりながら、食事のマナーを教えてあげましょう。発育がその子なりに順調で、元気な場合には、様子見守ることも大切です。
あまり食べなかったからといって、代わりにお菓子をあげてしまうと、次の食事時間にまたお腹がすきません。空腹と満腹のメリハリが大事です。お菓子を食べすぎていなくても、ジュースや牛乳を飲みすぎていないか、食事時間が不規則になっていないか、食生活全体を見直してみましょう。
子どもの食欲や食べる量にムラがあるのは、ごく自然なことです。早寝、早起きを心がけ、生活の中に体を動かす遊びを十分取り入れ、『お腹のすくリズムをつくること』が、自分から「食べたい!」と意欲がもてる子に育つ一番の近道です。
(福井市子育て支援課 管理栄養士)