ここでは、「発達障害者支援法」で規定された発達障害の主なものについて解説します。
子どもがどのタイプに分類されるかということも大切ですが、その障害の基本的な特性を踏まえた上で、どのように対応することが有益なのかを知ることはもっと大切です。
LD(学習障害:Learning Disabilities)
LDとは、全般的な知的発達に遅れはないものの、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態をさすものです。
その原因としては、脳などの中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されています。また、視覚障害などの障害や、環境的な要因が直接的な原因となるものではありません。
ADHD(注意欠陥多動性障害:Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)
ADHDとは、年齢あるいは発達に対して不釣り合いな注意力と多動性(衝動性)のどちらか、あるいはその両方を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学習に支障をきたすものです。症状は7歳以前に現れ、その状態が継続します。
脳などの中枢神経系に何らかの機能不全があると推定されています。
自閉症
自閉症とは、3歳位までに現れ、他人との社会的関係の形成の困難さ、言葉の発達の遅れ、興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害です。この障害も、脳などの中枢神経系に何らかの機能不全があると推定されています。
また、自閉症の中で知的発達の遅れを伴わないものを「高機能自閉症」と言います。
なお、類似する障害である「アスペルガー症候群」も、他人との社会的関係の形成の困難さ、興味や関心が狭く特定のものにこだわることなどの特徴がありますが、知的発達の遅れを伴わず、かつ、言葉の遅れを伴いません。
※自閉症と特徴が重なり合う障害を総称して「広汎性発達障害」や「自閉症スペクトラム」又は「自閉症スペクトル」と呼ぶこともあります。
(文部科学省 生涯学習政策局 男女共同参画学習課 )