こどもの感染症について
秋から冬にかけては、空気が乾燥してウイルスが広がりやすい季節です。特に小さなこどもは免疫力がまだ十分でなく、集団生活で感染症にかかりやすいため注意が必要です。そこで家庭で気を付けたい代表的な感染症とその注意事項についてご紹介します。
1.インフルエンザ
毎年冬に大きな流行を起こす感染症です。
症 状:38℃以上の急な発熱、頭痛、関節痛、咳、鼻水
合併症:インフルエンザ脳症、肺炎
インフルエンザの症状以外に意識障害やけいれんといった症状が生じた場合はすぐに医療機関を受診しましょう。
2.RSウイルス
乳幼児に多く、2歳までにほとんどのこどもが感染する感染症です。
症 状:鼻水、咳、発熱といった風邪症状、
合併症:肺炎、無呼吸発作、急性脳症
意識障害やけいれんが生じた時、呼吸が苦しそうで顔色や唇の色が青白、あるいは青紫色になり息を吸い込むたびに胸がへこむような症状がある場合はすぐに医療機関を受診しましょう。
特に1歳未満のこどもは気管支炎や肺炎に進行しやすいため注意が必要です。
3.胃腸炎(ロタウイルス、アデノウイルス、ノロウイルス)
ウイルス等によって引き起こされる感染症の総称です。
症 状:嘔吐、下痢、腹痛、発熱
感染力が強いため、感染者の嘔吐物や便は使い捨ての手袋とマスクを着用して処理し、消毒にはハイター等の次亜塩素酸ナトリウムが効果的です。
また、症状が続くと脱水状態になるため経口補水液を少しずつ頻回に与えてください。顔色が悪くおしっこの量が少ないなどの症状が見られる場合にはすぐに医療機関を受診しましょう。

4.熱性けいれん
発熱後に突然けいれんを起こすことがあります。
その多くは「熱性けいれん」と呼ばれ、発熱に伴って起こる一時的なもので、主に6か月~5歳頃のこどもに多く見られます。
症 状:意識を失い身体が硬直してガタガタと震える
目が上転して唇が紫色になる
けいれんの継続時間は2~3分程度
このようなけいれんが起こった時は、無理に身体を押さえず嘔吐しても大丈夫なように横向きに寝かせましょう。舌をかまないようにと口に物を入れることは危険なので行わないでください。可能であれば、顔と全身が映るように動画を撮影しておくと医師との情報共有がしやすくなります。
5分以上のけいれんや、けいれんを繰り返す場合、けいれん後も意識が戻らず顔色が悪く呼吸が苦しそうな場合は、ためらわずに救急車を呼びましょう。
こどもの救急で一番大切なのは「落ち着いて対応すること」です。
寒さが深まる11月、ちょっとした備えと知識を持ってこどもの安全を守っていきましょう。














