夏になると子どもを中心に増える感染症として「ヘルパンギーナ」、「咽頭結膜炎(プール熱)」、「手足口病」があります。この3つの感染症は俗に子どもの3大夏風邪と呼ばれており、例年6月から8月にかけて流行のピークがあります。特に、手足口病は、例年に比べて感染者が増加しているため、特徴や注意点を確認し、感染対策に備えましょう。
へルパンギーナは、6月から初夏にかけて流行し、乳幼児に多く見られる夏風邪の代表的な感染症です。主に「コクサッキーウイルスA型」が原因で発症し、ウイルスの型がいくつかあるので、何度もかかってしまうことも珍しくありません。
特効薬はなく、鎮痛解熱剤などの対症療法となります。のどの痛みから飲食を摂ることができず、脱水になることがあります。かまずに飲み込める、刺激の少ない食べ物を与え、脱水を防ぎましょう。
(例えば…麦茶、牛乳、冷たいスープ、ゼリー、冷めたおじや、豆腐など)
ヘルパンギーナは、くしゃみなどの際に出る飛沫によって感染する「飛沫感染」と、唾液や鼻水がついた手やおもちゃの貸し借りで感染する「接触感染」が主な感染経路です。また、回復後も長くて1か月間は便からもウイルスが排出されるので、おむつ交換の際に手指を介して感染が広がります。
しっかりと手洗い・消毒(アルコール系消毒薬)、マスクの着用を徹底して予防しましょう。
咽頭結膜炎(プール熱)は、アデノウイルスが原因で、プールの水を介してヒトからヒトへ流行が拡大することが多いので、プール熱とも呼ばれています。年間を通して発生しますが、主に6月末ごろから夏季にかけて流行します。
特効薬はありませんが、のどの痛みにはうがいや鎮痛薬を、目やにや結膜炎(充血)には抗生剤やステロイド点眼薬が処方されることがあります。のどの痛みがあるときは、ヘルパンギーナ同様にかまずに飲み込める、刺激の少ない食べ物がおすすめされます。
咽頭結膜炎(プール熱)は、「飛沫感染」と目やになどが感染源になるため、タオルの共用や手指を介した「接触感染」によって感染します。また、塩素消毒が不十分なプールに入ることでも感染が起こります。しっかりと手洗い・消毒(アルコール系消毒薬)、マスクの着用を徹底することはもちろんですが、目やにが感染源となるため、ふき取る際はティッシュなどの使い捨てのものを使い、すぐに捨てるようにしましょう。また、症状がでている人や発病して間もない人は感染力が強いので、入浴の順番を最後にすることも感染の予防に繋がります。
手足口病は夏季に流行し、7月にピークを迎えるウイルス性の感染症です。原因は「エンテロウイルス」と「コクサッキーウイルス」で、複数の種類があるので何度もかかる可能性があります。また、まれに大人も感染することがあります。
特効薬はなく、口内炎に対して鎮痛薬や粘膜を保護する軟膏が処方されることがあります。のどの痛みから飲食を摂ることができず、脱水になることがあります。かまずに飲み込める、刺激の少ない食べ物を与え、脱水を防ぎましょう
ヘルパンギーナと同様に「飛沫感染」と「接触感染」が主な感染経路です。また、回復後も長くて1か月間は便からもウイルスが排出されるので、おむつ交換の際に手指を介して感染が広がります。また、7月1日から7日までの1医療機関あたりの患者数は、福井県が全国で最も多い状況となっています。こまめに手洗い・消毒(アルコール系消毒薬)、マスクを着用し、タオルの共用は避けるなど感染予防を徹底しましょう。