好奇心旺盛な子ども、特に乳幼児は、興味を持ったら何でも口に入れたり、うっかり飲み込んでしまうことがよくあります。まずは、飲み込みやすいものを手の届くところに置かないことが重要です。
もし、のどに物を詰まらせたり、飲み込んだりしたときには、落ち着いて状況を見極め、適切に対処しましょう。
タバコの毒性成分である「ニコチン」の致死量は、成人で40~60mg、乳幼児で10~20mgと、とても高い毒性をもっています。
ただ、タバコの葉っぱを誤飲しても刺激が強いため、たいていはまずくて吐き出してしまうので、大量に飲み込んでしまうことはありません。多くの場合は軽症で済みますが、すぐに病院で受診することが必要です。
むしろ、乾燥したタバコの葉っぱよりも危険なものが、水の入った灰皿や缶ジュースに捨てたタバコのニコチンで、溶け出した液体を飲んでしまったときです。この場合、ニコチンが吸収されやすい状態になり、急性ニコチン中毒となる危険性が高くなります。そうなったときは、すぐに病院に行って診察を受けましょう。
葉っぱと液体のどちらを誤飲したのか、量はどれくらいだったのか、誤飲してどれくらいの時間が経過しているのかなどの情報をしっかりと把握してお医者さんに伝えましょう。そうならないためにも、お子さんのいる家庭ではタバコや灰皿等の管理には細心の注意を払いましょう。
窒息の原因になりやすい物として、おもちゃの部品、ピーナッツなどの豆類、グミなどがあります。また、コンビニ袋を頭にかぶったり、電気コード、ヒモなどを首に巻き付けたりして窒息する危険がありますので、普段から十分に注意をしなければなりません。万が一物を詰まらせてしまった場合でも、元気に泣いているときは、呼吸が正常である証拠です。しかし、声が出なくなった、唇が紫色になったなどの場合は窒息を疑い、救急車を呼ぶか、すぐに病院へ行きましょう。
1歳未満の子どもの応急処置としては、背部叩打法と胸部突き上げ法を繰り返し行います。
・背部叩打(こうだ)法・・・体の大きさに合わせて、片腕もしくは太ももの上にうつ伏せにして乗せ、手のひらであごを支えて頭を体より低くし、肩甲骨(けんこうこつ)の間を力強く叩きます。
・胸部突き上げ法・・・片手で体を支え、手の平で後頭部を支えます。心肺蘇生法の胸骨圧迫と同じやり方で圧迫します。
ぐったりしていて呼吸が止まっている場合は、心肺蘇生法を行い、救急車を呼びましょう。