お子さんの腹痛の原因で一番多いのが、この便秘症です。お子さんが腹痛を訴えたら、まずは最近の便の状況を確認しましょう。
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便秘症は乳児から年長児、小中学生にもみられることがあります。突然の腹痛を生じ、冷や汗とともに転げ回るような腹痛を訴えます。腹痛が始まるまでは食欲も普通で、嘔吐や下痢は伴いません。強い腹痛は10分程度で治まってきます。
嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状が急発するさまざまな病気の総称です。
急性胃腸炎は、さまざまな経路でお腹に病原微生物が侵入して起こります。ウイルスによるものと細菌によるものとに分けられますが、ロタウイルスを代表とするウイルス性の急性胃腸炎が圧倒的に多く、全体の90%を占めています。このウイルスは、毎冬多数の乳幼児に急性下痢症を起こすことで知られています。
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突然の嘔吐、下痢、腹痛が共通の症状です。
ウイルス性胃腸炎による下痢は、粘液、膿、血液を含まない水のような便が出ます。発熱をともなうこともありますが、短期間(1日程度)で解熱することが少なくありません。
十分な水分補給と食事療法が主な治療法です。家庭で治療できることが多いのですが、嘔吐のために水分摂取ができなかったり、激しい下痢で脱水が激しいときは入院治療の必要があります。
いわゆる風邪をひいたという状態です。鼻やのどの粘膜にウイルスが入り込んで炎症を起こすことをいいます。そのウイルスがお腹に入り込むと、腹痛を起こす原因となります。ウイルスの種類はたくさんあるので、繰り返し風邪をひくこともあります。
風邪をひいたら、安静、水分補給、保温を心がけてください。食欲がある時には、消化の良いものを摂らせてください。熱は概ね2~3日で下がっていきます。
虫垂炎は、虫垂に化膿性の炎症が起こる病気です。虫垂は、盲腸(もうちょう)(右下腹部の小腸から大腸につながった下の部分)の先に突き出た5〜10cmほどの先端が閉じた突起物で、長さ6〜8cm、太さは鉛筆程度です。
虫垂炎は一般には「盲腸」あるいは「盲腸炎」という通称で知られています。
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発症から数時間で、右下腹部に強い痛みが出ます。また、嘔吐や発熱を伴うことが多いようです。2歳以上の幼児に多くみられる病気です。
症状に応じて盲腸を切除する手術が必要になります。また、長時間気がつかないままでいると、腹膜炎などを併発して重症化することがありますので注意が必要です。
腸重積は、腸と腸が重なってしまう病気です。
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嘔吐や粘血便(イチゴジャムのような血便)・間欠的な激しい腹痛が特徴です。2歳以下の幼児に起こりやすいようです。
このような症状が見られたら、昼夜関係なく至急受診しましょう。
発症から72時間以内であれば、高圧浣腸法で治療することができます。高圧浣腸法で元に戻らない場合は、開腹手術を行います。
お子さんの年齢が低いと、「お腹のどの辺りが痛いか」や「どの程度痛いか」など自分の症状を詳しく話す事ができないので、ご両親が判断できない場合は、迷わず医療機関を受診しましょう。
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