傷の手当ての基本は「清潔」にすることです。
1)まずは水道水で傷口についた雑菌や砂などを洗い流しましょう。
痛がっても、しっかり洗うことが大切です。
2)水分を拭き取り、出血している場合は清潔なガーゼを傷口に当て、2〜3分間押さえて止血
します。
3)浅い傷なら、ガーゼやばんそうこうで保護し、切り傷は傷口が閉じるようにして保護しましょう。
※ 消毒薬は傷の治りを悪くすることがあるので、基本的には使いません。
また、傷をなめたり、唾をつけたりするのは避けましょう。唾液には炎症を抑える成分が微量に含まれているので、腫れがひくことはあるかもしれません。しかし、口の中は雑菌でいっぱいです。かえって傷を汚してしまうことがあります。
2~3日たっても傷口から汁が出たり、赤く腫れてくる場合は、傷の洗い方が不十分なために細菌感染を起こしている可能性があるので、医療機関で診てもらいましょう。
ぶつけたときにできるあざは、皮膚の下の毛細血管が壊れて出血を起こした「皮下出血」です。触ると痛み、腫れてくることもあります。
また皮膚の下を血液が移動して、別の場所にあざができることもあります。
ただし、皮下出血はほうっておいても自然に吸収され、あざは長くても数か月もすれば消えてなくなります。
もし、ぶつけていないのにあちこちにあざができる場合は、血液の病気などの可能性があるので、医師に相談してください。
ぶつけたり転んだりして子どもが痛がっている場合、まずは落ち着かせて、どの程度の痛みなのか確認しましょう。
例えば好きなおもちゃなどを見せて、すぐにニコニコして遊び出したら、痛みはそれほど強くないでしょう。
逆に、激しく泣き続け、患部を動かさなかったり、触わらせない場合は、かなりの痛みだと考えられます。
氷のうなどで冷やして様子を見てください。動かせなかったり、腫れてくる場合は、骨折などの可能性があるので、患部を添え木などで固定し、冷やしながら病院を受診しましょう。
次のような場合は、止血の処置をしてから医療機関を受診しましょう。
・傷が深い … よく洗ったつもりでも、細菌が残ってしまう可能性があります。細菌感染を起こすと治りが遅くなり、傷痕が残ることもあります。
・顔のけが … 軽いけがでも痕が残る心配があります。
・出血量が多い … 感染予防や傷痕予防のため、縫合やテーピングが必要です。
・傷口に砂などが残っている … そのままの状態で傷が治ると、色素沈着が起こることがあります。