子どもは大人と異なりさまざまな発疹を生じてきます。
子どもの発疹は、おもにウィルスや細菌による感染症が原因で起こってきます。
今回は、発疹(皮膚のぶつぶつ)と発熱の関係を含めて述べてみたいと思います。
子どもの発疹を考えるときに、
1.発熱と発疹が同時か?発熱後の発疹か?
2.子どもの年齢
3.体のどの部位に出ているか
の3点を診ていただくと診断の上で役に立ちます。
1. 水ぼうそう(水痘)…
発熱:38度~40度くらいの発熱
年齢:1歳~5歳に多い
発疹:全身に赤い斑点が出て、それが水疱となる。発疹は、顔・手足・
陰部・口内・頭皮、手掌・足の裏などに拡がり、4~5日経つと
水疱はカサカサに乾き黒いかさぶたになっていき、次第に感染力
がなくなる。全ての水疱がかさぶたになるのに5~7日かかる。
抗ウイルス剤を病初期に投与すると軽症化する。ワクチンでの予
防も可能。
2. 風疹(三日はしか)…
発熱:38度~39度くらいの発熱が3日程度続く
年齢:5歳~15歳に多いが、近年、成人になってからも発症
発疹:赤い小さなレース網状の発疹が全身に出る。耳の後ろ(リンパ腺)
が腫れ、発熱や軽い咳も出ることがある。症状は軽くて、2~3日
で発疹は消える。妊婦が感染すると流産の原因になったり、胎児が
先天性風疹症候群になり、先天性心疾患や難聴の児が生まれること
がある。ワクチンで予防可能。麻疹・風疹ワクチン(MRワクチ
ン)を1歳から2歳未満及び就学前の2回接種する。
1. はしか(麻疹)…
発熱:38度前後の発熱後、一旦解熱するが再び39度~40度の発熱
年齢:1歳~5歳に多く、中でも1歳~2歳が最も多い
発疹:鼻水、咳といった風邪症状で始まり、高熱が持続して、2~3日後
に発疹が、顔から手足に出て、全身に拡がる。口内粘膜に白い発疹
(コプリック斑)を認め、発病から1週間前後で治まる。肺炎や脳
炎を合併することがある。潜伏期は2週間位で、感染力が強い。ワ
クチン接種を忘れないように。
2. 突発性発疹…
発熱:突然38度~40度の高熱
年齢:好発(発病しやすい)年齢は1歳以下
発疹:突然、高熱が3日間位続き、解熱後半日くらいで、点状~小豆ぐらい
の赤い発疹が顔面・体幹に拡がる。高熱以外の風邪症状はなく、全
身状態も良好で、発疹は2~3日で消える。高熱のため、熱性けいれ
んを起こしやすい。