梅の花が咲き、春の訪れを感じる季節になりました。暖かい日差しを浴びて、お子さんと一緒に外で思い切り遊びたいですね。
さて、子育て支援施設では、ひな祭りなど3月ならではの行事を開催したり親子で触れ合って遊ぶ場を準備したりして、皆さんをお待ちしています。ぜひ遊びに来てください。
私たちは、子育てをしているとき、子どもの言動にイライラして、つい、子どもを感情的に叱ってしまうことがあります。でも、一体どうしてイライラするのでしょうか?
そこで今月は、仁愛大学教授で心理学がご専門の森俊之先生に、子育てでイライラしないためのポイントについて、アドバイスをいただきます。楽しい子育てのポイントを一緒に学びましょう。
イライラの原因を考えるとき、多くの人は、「子どもが親の言うことを聞いてくれなくてイライラする」とか「子どもが聞きわけのないこと言うのでイライラする」などのように、子どもの言動や態度によってイライラが生じていると考えるかもしれません。確かに、子どもの言動がイライラのおおもとであることは間違いありませんが、心理学では、子どもの言動が起こってからイライラが生じるまでの一瞬の間に、ある心の働きが無意識のうちに行われ、この心の働きによって、イライラの感情が起こると考えられています。では、この一瞬の間にどのような心の働きがなされるのでしょうか?
実は、この一瞬の間に私たちは、自分の持っている価値観や考え方をもとに、目の前で起こったことをどのように考えるかという判断を行なっています。たとえば、子どもが言うことを聞かないとき、私たちはどうして子どもが言うことを聞かないのだろうと考えます。
このとき、「反抗しているから言うことを聞かない」と考えると、腹が立ちイライラが生じます。子どものことをポジティブに判断する親ならば、「うちの子は自分の考えをしっかり持っている」と考え、むしろ誇らしく感じるかもしれません。「うちの子はまだまだ幼いから」と考えると仕方がないと感じたり、かわいいと感じたりするかもしれません。
原因となる出来事(Activating event)を、どのように考えるか(Belief)によって、結果としての感情(Consequences)が変わってくるということで、心理学ではこの3つの頭文字をとってABCモデルといっています。
それでは、子育てのイライラを避けるには、どうしたらいいでしょうか?もちろん、子どもの言動を変えさせることができればいいのですが、子どもを変えるのはなかなか一苦労です。ABCモデルを参考に、自分の判断の仕方に気づいてこれを変えるのも一つの方法です。自分の考えを変えるためのポイントは2つです。
まずは、どうして自分がイライラしているかという自分の心の判断に気づくことが大事ですが、そのためには冷静に自分を見つめる時間が必要です。もしもイライラを感じ始めたら、とりあえず心の中で、「1、2、3・・・」と数をかぞえてみましょう。数をかぞえながら気持ちを落ち着かせ、自分が今どのように考えているかを見つめ直してみましょう。
自分の考え方に気づいたら、今度はそれを変えることが大切ですが、考え方を変えるためには、まずはいろいろな考えを知っていることが必要です。ふだんから親同士で話し合ったり、専門家の話を聞いたりすることで、子どもに関するいろいろな考えに触れておきましょう。いろいろな考えを知ることで、自分の考えも柔軟に広がります。
無理に自分を変えようとするのもイライラのもと。自分も子どもと一緒に育っていこうという気持ちで自分育ちを楽しみましょう!
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