赤や黄色で彩っていた街路樹の葉もいつの間にか散り、冬の到来を感じるようになりました。今年もあと1ヶ月になり、冬の支度や新しい年への準備など何かと慌しい月ですが、お子さんにとっては、楽しいことがいっぱいの12月です。子育て支援施設ではクリスマス会など、楽しいイベントを計画しております。親子で遊びに来てください。お待ちしています。
絵本の読み聞かせのポイント
ブックスタートのことをご存知ですか?ブックスタートは「絵本」を通して赤ちゃんと向かい合うひとときを持つことを応援する運動です。赤ちゃんの体の成長にミルクが必要なように、こと心を育むためには、あたたかなぬくもりの中で優しく語り合う時間が大切です。そうしたかけがえのない時間を通して、赤ちゃんは自分が愛されていることや守られていること、大切な存在であることを体感します。そして、ことばを呼応させる経験を積み重ねながら、ゆっくりと人を信頼することを知り、さらに自分以外の人と気持ちを通わせる力を育みます。
そこで、今月の育児ヒントは、長年、絵本を子どもたちとお母さんたちに届けている『いちのすけ文庫』主宰の坪川祥子先生に、子どもの絵本についてのお母さんの悩みに、アドバイスをしてもらいました。お子さんに絵本を読み聞かせする時のご参考になれば幸いです。
大好きな人のまなざしが、人の育ちを支えます。大好きな人のぬくもりのある声は、子どもにとってのゆりかごです。 子どもと大人が絵本のよろこびを分かち合うひと時をすごすとき、子どもは目で絵を読み、耳から言葉を味わい、絵本の世界を自分の内なる世界として思い浮かべています。その至福の時に寄り添える幸福を、私たち大人もまた味わわせてもらっているのです。 |
こばやしえみこ 案 |
Q.うちの子、絵本が好きじゃないみたい。ちっとも、じっと聞いてないんです。 A.自分で動けるようになるハイハイの時期から、ちょこちょこ走りの頃まで、子どもは、つぎつぎと行きたいところに自分で行けることがうれしくてたまらないのです。 |
松野正子 ぶん |
Q.絵本を読んであげるのはいいことなんですよね。 A.難問です。絵本を読むことを楽しいと思っていない大人が義務感から読んで聞かせるのであれば、子どもの育ちにとっていい時間ではないでしょう。「あなたと一緒にいるのが楽しい。」という大人の気持ちが、絵本を読む生の声を通して目の前の子どもの心に届く。そのとき、子どもが育つのです。 |
Q.子どもと読んでいる絵本のどこが面白いのか、大人の私にはわからないんです。わからないままに我慢して付き合ってるんだけど、正直言うと疲れます。 | ||
A.絵本じゃなくて、子どもを見てください。子どもの周りに いる大人のよろこびは、何かと出会って楽しむ子どもの気持ちに気づくことです。 絵本の『ぐりとぐら』をそのまま面白いと感じる大人はほとんどいません。でも、主人公のぐりとぐらが食べるカステラを、美味しそうに食べるまねをする子どもを見て、しあわせを感じる大人は多いのです。子どもとともにすごすと、自分以外の者のよろこびを自分のことのように感じるチャンスにめぐまれます。 |
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Q.大人はちゃんと絵本を書いてある通りに読みたいのに、子どもが勝手にどんどんページをめくったり、「おしまい!」って終わらせたりするんです。 A.その子は、ページをめくるのがおもしろいのです。 |
安西水丸 さく |
Q.どんな絵本を選べばよいか、わかりません。 A.その時のその子の気に入った本は、大人が邪魔しないで楽しませてあげましょう。
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