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Vol.36 漢方基本編・基礎1(日本の漢方医とは何か)

最終更新日:2013年5月20日

ソウジュツ  今回で連載開始から丸3年となります。開始当初はアレルギー関連の漢方治療について連載をとのことでしたので、そこから出発していくつかお話してきましたが、結局漢方は患者さん個人個人の体質や状態を勘案して、いわばオーダーメイドのように処方を決めるので、いくら漢方の名前を挙げたところで、それが同じような症状の方すべてに役立つわけではないことも、すでに十分ご理解頂いているかと思います。このコラムのように、ネット上で一般公開されている情報には、なるべく誤解のないように、また偏りのないように配慮する必要がありますが、こと漢方に関しては、その専門家の間ですら、統一見解のなされていない事柄がたくさんありますので、正確に、しかもわかりやすく説明するというのは、本来不可能に近いものかもしれないと懸念しています。それでもあえて連載をするのは、みなさんにもっと漢方の魅力を知って頂きたい、漢方でより快適に日々を過ごしていただきたい、という、老婆心があるからです。漢方が全てではありません。医療という立場で考えれば、当然西洋現代医学をまず主軸として据えるべきと考えます。だからそれで困っていなければ漢方なんかいりません。では、どうして漢方を知って頂きたいのか。それは、日本漢方が世界でも稀な、西洋医学と東洋医学の両方の知識をもって運用されているという、重大な事実を認識していただきたいからです。  

 日本の医師免許は、厳然たる西洋医学の知識技術をもってその資格を保証するものですが、同時に東洋医学の知識、技術を行使できる立場であると認めるものでもあります。つまり、日本の漢方医師は皆、西洋医学を修めてから漢方医学を修得するという意味です。漢方医学・東洋医学のことだけを医学部でいくら勉強しても、西洋医学の知識がなければ医師国家試験に受からないのです。当たり前のように聞こえるかも知れませんが、中国や韓国、その他多くの東洋医学を実践する国で、これは当たり前ではありません。免許が別なのです。これはとても大きな違いです。日本の漢方医師のように、現代西洋医学における疾患の自然経過を理解し、その標準治療を認識・実践しつつ、必要に応じて漢方治療を行うということは、中国や韓国の東洋医学医師(中医師や韓医)では原則できないのです。これがどう重要で、しかもなぜ魅力なのかは、次回以降もお話していきます。

文責 三重大学附属病院漢方外来担当医・小児科専門医・医学博士 高村光幸

 《参考資料》 

わが漢方の師である安井廣迪の講演録など 

《写真提供》

株式会社ツムラさんのご厚意による

お問合せ先

福井市 福祉部 子育て支援課
電話番号:0776-20-5270/FAX番号:0776-20-5490
最終更新日:2013年5月20日

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