9月1日は『防災の日』でした。
最近、自然災害が多いですね。大雨になると、福井での水害被害を思い出して怖いと思われる方も多いと思います。異常気象なのかもしれませんが、大雨、台風、水害、土砂災害、風害、地震、津波等、いつどこで何が起こるか分からないのが自然災害です。日頃の災害対策や訓練は重要です。
今回は、災害対策について考えたいと思います。
まず、災害が起きたとき、1番大事なものは何ですか? それは“いのち”です。
ご自分と子どもと家族の“いのち”を守るための行動を考えましょう。
1.安全確認
何が起きたのか状況を確認し、安全な場所の確保。避難場所へ避難するかどう
か判断。
家族の安全確認
2.情報収集
いつどこで何が起こったのか。被害状況などの情報収集をする。
行政からの情報(避難準備、避難勧告、避難指示など)を聞く。
3.避難行動
避難場所、避難経路、避難用品の確認をし、避難するべきか判断し、避難行動
に移る。
常に安全に心がけ行動しましょう。
日頃の災害対策として検討しておくことは?
1.非常用持ち出し袋、非常用品の準備
身のまわり品
小銭、常用薬、携帯・スマートフォン、充電器、ライト、電池、
レジャーシート、ティッシュペーパー、ぬれティッシュ、
トイレットペーパー、携帯ラジオ、生理用ナプキン、洗面用品、
ドライシャンプー 等
衣類
下着、着替え(夏用、冬用)、タオル、バスタオル、簡易トイレ
乳幼児がいる場合は、おむつ、おしりふき、おんぶ紐(スリング) 等
食料
非常食、水、すぐに食べられる物、
乳幼児がいる場合は、ミルク、お菓子、レトルト離乳食 等
その他
軍手、防寒具、レインコート、毛布、サランラップ、新聞紙、ビニール袋、
マスク、ヘルメット 等
母子健康手帳はいつも持ち歩きましょう。
母子健康手帳はあなたとお子様の唯一のカルテになります。連絡先、常用薬、検査結果などを記入しておき、日頃から持ち歩くようにしてください。お薬手帳も同じです。
非常用持ち出し袋などは、持ち出しやすいところに置き、家族にも分かるところに保管しましょう。
熊本地震の時子どものいる家族は、車中泊をしていることが多かったようです。自家用車内に必要な物をそろえておくと便利です。
毎年点検しましょう。特に、食料品、水など消費期限のあるものや子ども服のサイズの点検を忘れずに。
2.ご家族で日頃から災害対策について話をする機会を持ちましょう。
避難場所、避難経路、集合場所、連絡方法などを確認しておく。
実際に避難経路を歩いて災害時の危険箇所などを確認しておくとよい。
《助産師からのアドバイス》
1.お産の兆候など身体の違和感、変化があれば、直ちに助けを求めましょう。
かかりつけの病院に連絡がつけば、指示に従ってください。
急な場合は救急車を要請してもらいましょう。我慢はしないことが大切です。
2.このような症状があれば対処しましょう。
1)お腹が張ったら
体を温めて横になって安静にする。
2)出血したら
清潔なナプキンを当てて横になって安静にする。
3)破水したら
清潔な大きめのナプキン、紙おむつを当てて横になって安静にする。
4)陣痛がきたら
お産を手伝ってくれる人を呼び、救急車を要請する。
5)赤ちゃんが生まれたら
赤ちゃんの体を柔らかい布でよく拭き、清潔なバスタオルに包み、お母さん
かご家族にしっかり抱っこしていてもらう。
6)胎盤が出てきたら
ビニール袋に入れておく。
いずれの場合も、誰かにそばにいてもらい、緊急の場合は救急車を要請してく
ださい。
災害が起きたときは精神面も不安定なので、必ず誰かと行動できるように、支
援してもらえる方を近くで見つけておきましょう。
3.小さなお子様のいる場合
1)お子様のこと
環境の激変で不安がいっぱいになります。体を温めて、泣いたら抱っこする
等、常にそばにいてあげてください。災害の体験や生活の変化から、赤ちゃ
ん返りや不眠、落ち着かない等いつもと違う行動をとることもありますが、
これらは、不安、怖さから起こる正常な反応です。お子様の話を聞いたり、
抱っこしたり、スキンシップを多くし、お子様の気持ちを理解してあげてく
ださい。
2)母乳のこと
母乳で赤ちゃんを育てている場合、ほしがるときに母乳を飲ませていいで
す。ママの不安等から一時的に母乳量が減ることもありますが、飲ませ続け
ることでママの気持ちが落ち着けば、いつも通りに増えてきます。授乳方法
は変えないことで、赤ちゃんの気持ちも落ち着いてきます。
3)ママの体のこと
産後1か月は、産後の体の戻りのためにも安静にして、横になる時間を増や
して体を休ませましょう。この後も、疲れを感じたら、休みましょう。
4)心のケア
不眠、すぐに泣けてくる、気分の浮き沈みがある、無気力になる等は、不安
や恐怖からくる「異常事態の正常な反応」です。産後は女性ホルモンの影響
で何もなくても気分にムラがあるものです。災害後は人間関係に変化があ
り、疲労感、ストレスなどが大きくなります。我慢しないこと、誰かに気持
ちを話す、生活のリズムを整える、適度な運動なども大事です。
災害はいつ起こるか分かりません。日頃の準備は重要です。この機会に、ご家族で少し話し合ってみませんか。実際に避難所でのことは Vol.11「災害時の注意事項について」を参考にしてください。
(助産師ネットワークたね 代表 川端起代美)