地域で活動している助産師の竹本由希です。三人のママでもあり、今まさに育児奮闘中です。今までで一番戸惑いや葛藤を感じた時というのは、二人目が生まれた時。ということで、今回は「二人目育児」について、体験談もふまえてお話させてもらいます。
二人目を出産した後、上の子のわがままがひどくなるのは当たり前。下の子のことを「抱っこしちゃだめー」「おっぱいあげちゃだめー」とこちらの行く手を妨げることを連発。
年齢差によって上の子の聞き分けの良さは変わってくるとは思います。しかし、ママだって二人目育児はこれが初めて。戸惑って当然。上の子に手をかけてあげたい。でも、下の子もしっかりみてあげたい。どうしたらよいか戸惑いますよね。そんな時は、二人目ママの先輩に相談するのが一番。先輩と話すと、とっておきの裏技を知ることができるかもしれませんよ。
・赤ちゃんの体重増加に注意して
上の子のお世話や訴えに耳を傾けているうちに、赤ちゃんの空腹のサインを見逃したり、授乳のタイミングがずれたりすることが多々あります。赤ちゃんが周りに興味を示すようになる生後2~3か月は、授乳中に上の子が横で騒いだりすると授乳が中断することがあります。また、二人目は比較的ぐっすり寝る子が多いのです。結果的に授乳回数や授乳時間が減り、赤ちゃんの体重増えが少なくなってしまうことがあります。生後3~4か月までの赤ちゃんの体重増加はこれからの発達、免疫獲得のためにとても大切なことです。生後2か月までは2週間ごとに、生後3か月からは1か月ごとに自宅の体重計や産院・保健センターなどで体重増加を確認することをお勧めします。
「授乳時間が十分にとれていないな」「授乳に集中できる環境ではないな」と感じるときは、家族や一時預かりなどのサポートも利用して、落ち着いた赤ちゃんとの時間を積極的にとることも必要かもしれません。体重増加に不安があるときは近くの助産師にご相談ください。
・上の子への対応
ついつい下の子が生まれると、「お姉ちゃんでしょ」と言ってしまいがち。しかしこれは禁句です。親から距離を置かれたと感じさせてしまいます。このフレーズは、褒めるときだけ大いに使ってください。「さっすが!お姉ちゃん!」という具合です。
年齢の小さい子は、赤ちゃんにどのように関わればいいかわかりません。「ダメ、ダメ!」と大人が上の子に「ダメ!」を連発している光景をよく目にします。しかし、「ダメ」では何が正解なのか全くわかりません。上の子は、自分のいく道を全て遮られ、否定されている気持ちになってしまいます。「お顔じゃなくて、足をこうしてなでてあげて」とやって見せてあげましょう。次に手を持って一緒にやってあげます。次に自分でできたら、めちゃくちゃ褒めます。「やさしいお兄ちゃん!」って。
そして、赤ちゃんが寝たら、二人だけのスキンシップの時間。二人の時間をたっぷり楽しんでくださいね。
二人目育児は大変なことも多いですが、子ども同士の関わりを見られることは、なんとも言えない幸せです。大変なのは最初の1年間で、1歳を過ぎるとママもだんだん楽になっていきます。今のこのにぎやかな時を噛みしめて楽しんでください。
一般社団法人 福井県助産師会 はホームページを開設しました。地域助産師について、ベビーマッサージ教室などママ向けの教室についてなども掲載していますので、ぜひホームページをチェックしてみてください。
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(『助産師ネットワークたね』助産師 竹本由希)