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Vol.3 小児科診療室から

最終更新日:2010年8月5日

医療の現場から お子さんにいろいろな症状がでて小児科を受診される機会があると思いますが、実地の臨床の場でとくに発熱に関連して気がついたことを思いつくままに書いてみたいと思います 。

発熱
 なんと言っても受診動機の第一位です。最近では症状の話を聞く前におでこの熱さましシートでわかることがよくあります。結構貼っているお子さんが多いようですが、熱が下がるとはとても思えません。多少はひんやりしていて気持ちがよいくらいの効用でしょう。

解熱剤(座薬、頓服)について
 絶対に使わないという頑固な信念の持ち主が少々、ちょっとでも熱があると即使うという心配性の人がそこそこいらっしゃるかなという印象です。前者の方にはあまり意固地にならず、お子さんがつらい時には薬をうまく利用していただければと思います。後者の方には、解熱剤は高熱のためのつらい症状をやわらげるためのもので、熱が高くても元気な時には必要がないことをご理解いただきたいと思います。

熱で脳がおかしくなるんじゃないかと心配されている方は少なくありません。
 たしかに熱の原因が脳にあれば、脳がおかしくなることがありえますが、そうでなければそういうことはないのです。熱の原因が脳にあるとは、脳炎、脳症、細菌性髄膜炎など脳を侵す病気になっているということです。たしかに怖い病気ですが、実際の頻度は幸いにかなりまれです。細菌性髄膜炎については、おもな2つの菌『インフルエンザ菌』『肺炎球菌』に対するワクチンの接種で予防できるようになりました。任意接種で接種費用はかかりましが是非ご検討ください。

熱の高い時のひきつけが心配な方も多くいらっしゃいます。
 たしかに目の前で「ひきつけ」がおこると大変びっくりし、心配されると思います。これもその原因が重要です。脳に病気があっておこる「ひきつけ」はたしかに大問題ですが、実際には脳には病気がなく感冒など熱の原因が脳以外にあって、単に脳が高熱で過剰に反応しただけという場合がほとんどです。これは『熱性けいれん』と言われるもので、お子さん100人のうち7~8人に起こることがある比較的よくみられるものです。繰り返すこともありますが、小学校に入る頃には熱が出ても起こらなくなり基本的にはあまり心配がないものです。

 熱が高い時の「ひきつけ」が脳の病気で起こっているのか、単なる『熱性けいれん』なのかが最も重要な点ですが、判断が難しい場合がありますので、高熱でひきつけた場合には原則として医師の診察を受けることをお奨めします。

 文責:林小児科クリニック 林 修平

お問合せ先

福井市 福祉部 子育て支援課
電話番号:0776-20-5270/FAX番号:0776-20-5490
最終更新日:2010年8月5日

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