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アンケートに、泣いている赤ちゃんを部屋に置き、隣の部屋でひとり泣いた というのがあり、読んでいてとても苦しくなったのですが… |
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あまり長い時間放っておくとなると心配ですが、ご自分を傷つけたり、お子さんに手をあげたりすることではないということで、やむを得ない部分もあるのではないかなと…。 |
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解消法という意味合いのものとしては位置づけできないとは思います。ただ、そうでもしないとやっていけない気持ちは分かります。 |
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そこまで深刻になる前に、ご主人やご家族が察知することも必要だということでしょうか? |
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そうですね。子育てが直接ストレスになることも当然ありますが、それだけでなくて、大変なんだということを周りが何も分かってくれていない、共有してもらえていないという事がストレスになるのかな、と思います。
核家族であれば、お母さんも、日中は赤ちゃんと二人きりという事は十分理解されています。ただ、それでも帰ってきたご主人の生活パターンが何も変わってなくて、休日には自分の趣味に出かけるとなると、自分だけ置き去りにされているという辛さを感じるのではないかと思います。 |
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限られた時間の中で、1人でできることには限界があります。アンケートには家事を少し手抜きするなどもありましたが、そういったことに対しても、ご主人が理解するような気遣いが大事なんですね。
相談室でストレス解消法の具体的なアドバイスなども、されているのでしょうか? |
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特に新しいことを勧めるのではなく、「お好きなことはなんですか?」というようなことをお聞きしています。時間がとれるようなら、お子さんが寝ている間など、5分でも10分でもいいから、自分の時間を楽しんでいただければと思います。例えばお茶を飲むなら、ゆっくり味わって飲むとか。 |
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解消法として、ツイッターやチャットなどネットを利用するとのお答えもあり、現代風かなとも感じました。確かに自分の気持ちを軽い気持ちで発散できる場でもあります。 |
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そういう時代なので、特に違和感を感じるようなことはありません。ただネット上ではどうしても生のやりとりと同じではないので、自分の気持ちがそのまま伝わるとは限りませんし、意に反して傷つけられることもあり得ます。また、のめりこんでしまうような危険性もあります。そういったことによって逆にストレスを抱えてしまうケースもあります。そのあたりは十分気をつけた方がいいと思いますね。 |
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子育て支援室・相談室などにみえる方の中には、転勤などで福井に知り合いがいないような方もいらっしゃると聞いています。やはり知り合いがいない、頼る方がいないという状況は、不安がつのるものだと思いますが。 |
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確かに転勤族の方などいらっしゃいますし、子育て支援室で知り合ったお母さん方同志でメールアドレスの交換などもされているようですね。支援室ではイベントなども多く催していますので、そういった機会におみえになる方も多いですよ。
外に出かけるというだけで気分も晴れますからね。 |
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もちろん、こちらのような子育て支援の機関やネットなども上手く利用していただきたいのですが、それは反面、ご主人や周りの人たちに助けを求める方が意外に少ないのかなという印象も受けます。 |
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ご主人に言っていないわけではないでしょうが、なかなか分かってもらえないという状況もあるでしょうね。何かしらのサインは出しているんだけど、受けとめてもらえないことが、またストレスになったりして…。 |
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実は先日、ご主人たちに奥様の育児ストレスに関する別のアンケートを取らせていただいた結果、「奥様からのSOSサインを感じたことがない」という方が何と60%!これは女性の立場からすると、随分と鈍感な感じもしてしまいます(笑)。ご主人へのSOSの上手い出し方について、お二人からのアドバイスなどお有りでしょうか? |
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奥さんの方も物事を頼む時には、具体的に分かりやすく伝えるといいのかな?という感じはします。「子どもを見てて」と言うと、ご主人の方もほんとに見ているだけになってしまい、どうしていいのか分からないというところがあるのかもしれません。
ご主人が動きやすいように教えてあげるとできるようになるし、自信も持てます。
それと、あまり完璧さを求めず、やってもらったことに対しては否定せず、感謝するということが大事かなと思います。そこも育てるというか。 |
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あと、奥さんからあまりにも子育てが大変ですごく嫌なことのように言われると、ご主人も子育てに対してネガティブな印象を持ってしまうかもしれません。子育ての楽しさ、素晴らしさを伝えた上でそれを分け合う、手伝ってもらうという感じでしょうか。子育てのポジティブなところも普段から伝えるということは大事だと思いますね。 |
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逆にご主人へのアドバイスなどありますか? |
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1日5分だけでも、奥さんの話をきいてあげる。それも、ご主人の方から会話の時間を持つという姿勢、気持ちを持ってあげて欲しいなと思います。 |
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それでは、最後に育児に奮闘中のお母さん方へのアドバイスをお願いします。 |
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子育ては長い人生の中で、限られた期間のものと言えると思います。今は辛くても、大変な時期には必ず終わりが来ます。というか来てしまいます。ゆくゆくは子どもに自立してもらいたいですしね。辛い時もあるかと思いますが、あまり目の前のことだけを気にし過ぎず、時には長いスパンで考え、少し引いた立場で見てあげることも大事だと思います。辛くてしょうがない時には、遠慮せず周りに助けをもとめて欲しいと思います。ひとりで抱え込まずに、周りが手助けできるようにSOSを出して欲しいです。 |
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イギリスの小児科医のドナルド・ウッズ・ウィニコットの言葉ですが「グッド・イナフ・マザー」(good enough mother)という言葉があります。
「ほどよいお母さん」という意味なんですが、あまり完璧さを求めず、子育てに求められることや子どもからの要求に対しても、ほどほどに応え、ほどほどに失敗するお母さんでいいのではないのでしょうか。 |
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本当にとてもいいお話を伺いました。ありがとうございます。
つらい時などは、無理せずこちらの子育て支援室・相談室などにご相談に来ていただけたらと思います。
本日はお忙しい中、ありがとうございました。 |