みなさんは口の中に残った食べカスなどが歯に悪影響を与えるメカニズムをご存知でしょうか？　
お口の中に生息している虫歯菌は、食べカスなどに含まれる糖を“餌”としています。その糖を消化する際に酸を生み出し、その酸が歯を溶解させたり虫歯を引き起こしたりする主たる原因となるのです。
つまり“ネバネバして歯に付着しやすいもの”、“糖分が多く虫歯菌などを引きつけやすいもの”などが、歯に悪い影響を与えやすいと言えるでしょう。
以上の前提を踏まえたうえで、どのような食べ物が歯に悪影響を与えやすいのか、見てみましょう。

もちろんキャンディーなどの食べ物は、長い時間口の中にネバネバした糖分の塊を入れておくことになるので、歯の健康にとっては天敵と言えそうです。もちろんソフトキャンディーも同じです！

ソーダやスポーツドリンクなど糖分を多く含む飲み物は、少量ずつ長い期間をかけて飲み続けると歯に非常に悪い影響を及ぼします。というのも、一定時間毎に歯に粘性のある糖分が付着することで、格好の餌を得た虫歯菌の繁殖を促すことになるからです。このような飲み物は、歯の健康だけを考えると、少しずつ飲むのではなく、可能であれば早く飲み干してしまうほうが良いようです。
特に哺乳瓶などに入れて飲ませるのは避けておきましょう。

想像に難くありませんが、ポテトチップスなどのスナック菓子は歯につきやすく、歯の溝に埋まるため取れにくい食品です。また糖をたっぷり含むため虫歯菌の餌となり、歯に多くの悪影響を及ぼします。

ドライフルーツそのものは栄養価が高く大変健康に良い食べ物です。しかし、意外にドライフルーツは、歯にくっつきやすく、また糖分を多く含むため、お口の中における虫歯菌の増殖を招きます。

″歯に悪い食べ物″　どれも特段珍しい食品ではないので、「そんなこと言われても子供が食べたがるし……」と思われる方が多いのではないでしょうか？　
もちろんこれらを避ける必要はありません。これらの食品は、歯に様々な影響を及ぼす可能性があります。あくまでも″可能性の高い食品″という事なのです。
上に挙げたような食品を食べた後は、ほかの食品よりちょっとだけ気を使い、食後はできるだけ入念に歯磨きをするように心がけ、歯の健康を保ちましょう。

  （いたつデンタルクリニック　院長　　板津　衛）

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（福井市歯科医師会）

※　本文は歯科医療の観点より記載されております。