歯磨きのスタートは、6ヵ月~1歳くらいが目安。この時期は間食も少なく、唾液(だえき)の作用で十分清潔に保てるので、しっかりみがくよりも慣れさせる感覚で。はじめのうちは、みがくというより、ガーゼを使って口に触れられることに慣れさせる気持ちでゆったり構えて始めましょう。
1歳くらいからは、仕上げみがきと自分みがきは、並行してやっていきましょう。
最初は、磨くまねができるだけでもよろしいです。仕上げみがきのときにも、自分の歯ブラシ(磨くまねをしていた歯ブラシ)をにぎらせたまま、仕上げ磨き用の歯ブラシなどで磨いていきましょう。
※ 歯ブラシでのどをついてしまう危険がありますので小児用の、のどをつかない工夫をしている歯ブラシを利用しましょう。
※仕上げみがき用の歯ブラシを子どもに持たせないようにしましょう。
おうちの方が磨いてあげる「仕上げみがき」と、子どもたちが自分でみがく「自分みがき」は、並行して行うのが基本です。早いうちからマイ歯ブラシになじんでいれば、自分みがきへの移行も難しくありません。
1)「楽しい!」と感じる雰囲気をつくりましょう
2)みがいたあとは、いっぱいほめましょう
3)決まった瞬間に繰り返して習慣にしましょう!※眠いとき、疲れているときは無理にはしないでおきましょう
口や顔をさわられることは、子どもたちが本能的にイヤがることのひとつです。また、じっとして終わるのを待つことも子どもたちにはつらいものです。大切なことは「歯磨きは楽しい!」と感じさせること。終わったあとはいっぱいほめて、毎日の習慣にしていきましょう。
歯磨きのサイクルは、1日2回が目安ですが、はじめのうちは1日に1回でもよろしいです。
プラークの増殖は24時間のリズムなので、歯磨きは1日1回汚れを落とす感覚で行ってください。でも、子どもが疲れていたり、体調が悪い場合などは、無理をさせないようにしましょう。
0~1歳 だっこみがき・・・おっぱいをあげるときと同じだっこの体勢で行う |
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1~3歳 寝かせ磨き・・・ひざを少し開いて正座して、ひざの上に子供の頭を乗せた体勢で行う |
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3歳以上 基本は寝かせ磨きですが、どうしても嫌がる場合は、座らせ磨き(例えば、椅子などに座らせて頭を支えて大人は後ろから磨きます)を行うのもよろしいです。 |
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じっとできない子には? 2人で仕上げ磨き 2歳くらいになれば、両親2人が向かい合わせに座り、動こうとする子どもをそっと押さえ、歯磨きを行う方法もあります。 |
100~150gが目安です。
強くみがきすぎると歯ぐきを傷つけ、子どもが歯磨き嫌いになってしまう可能性もあります。キッチンスケールを利用して、歯ブラシにかかっている力の加減をおぼえましょう。
むし歯になりやすい上の前歯や上下の奥歯に的を絞って行ってください。
みがく順序は奥歯から行うとよいでしょう。痛みを感じやすい上の前歯は最後にするとよろしいです。
1.歯の面にまっすぐ歯ブラシをあて、歯茎を傷つけないようにやさしくみがきます。
歯の表面の汚れを最も効率よく落とすには、歯ブラシを歯の面に直角にあて、こまかく振動させます。
2.奥歯と奥歯のかみ合わさる面の溝は、汚れのたまりやすい部分です。溝にそって、手前にかき出すようにして汚れを取り除きます。
3.上唇の裏側にある上唇小帯(唇と歯茎をつないでいる筋)を歯ブラシで傷つけないように、ひとさし指で上唇を押さえ、ひとさし指に歯ブラシをそわせるように磨くと痛がりません。
4.上の奥歯のほっぺた側は、口を大きく開けずに小さく開けるとほほがゆるみ、みがきやすくなります。下の奥歯の舌側は「アー」と言わせると舌が下がりよく見えます。
泣いて磨かせてくれないときは?・・・「アッ」っと、注意をそらしてササッと磨く
などの方法もありますが、2歳くらいからは、仕上げ磨きをするという習慣を付けていくのがよろしいかと思います。2歳くらいまでは、歯ブラシに慣れ、歯ブラシが口に触れることを嫌がらずにすむような、磨き方を心がけてください。
(ワイプラザうさみ歯科医院 院長 宇佐美英典)
(福井市歯科医師会)
※ 本文は歯科医療の観点より記載されております。