子どもの歯磨きで正しい磨き方と言っても、この方法でやれば完璧という方法があるわけではありません。どの磨き方にも一長一短がありますし、一人一人の顔が違うように、歯の形や大きさ、並び方は人それぞれ違います。その子の歯に合わせて、方法を組み合わせて、磨き残しがないようにすることが大事です。
乳歯がはえた頃が一番虫歯になりやすいので一番重要です。しかし、その頃が一番歯磨きを嫌がるのも事実です。
歯磨きにある程度、時間をかけることも大事です。大人でもササッと1回20~30秒で磨いている人が多いのではないでしょうか。そんな短時間では30本前後の歯をきれいに磨けるはずがありません。子どもでしたらなおさらです。日本歯科医師会では1回の歯磨きの時間として、10分を目安にしています。
それでは、いろいろなポイントを説明しましょう。
よくわかる例えとしては、NHKの[お母さんといっしょ]でながれている[はみがきじょうずかな]の最後のシーンで膝の上に乗せて固定するのと同じようにすると理想的です。
この体勢は子でもたちからすれば無防備で不安なようで、最初は嫌がったりしますが、徐々に慣れさせてあげてください。普段はママが仕上げ磨きをしているのであれば、たまには気分を変えてパパがしてみてあげてください。
歯磨き剤を使用するタイミングとしてはぶくぶくうがいができるようになってからでO.Kです。最近の歯磨き剤の中には、大概フッ素とキシリトールが入っているので、どれを選んでも問題ないです。
もし、うがいが出来ない時に使いたいのであれば、薬局や歯科医院で販売している歯磨きジェルもお勧めです。発泡剤が入ってないので泡立たず口の中がよく見えます。少量でしたら飲み込んでも問題ないですし、ご心配でしたらガーゼなどでふき取ってください。
歯垢が効率よく取れるのは、横に細かく動かす磨き方です。大きく動かすと歯ぐきなどが傷つきやすく痛いです。汚れなども落ちにくいので、細かいストロークで一箇所あたり10回以上が目安です。
いろいろポイントを書きましたが、あまりにも完璧を目指しても子どもが嫌がります。上手くできたらオーバーアクションで褒めてあげるなど、子どもの機嫌をとりながら、早めに習慣化すればするほど、虫歯になるリスクが減ると思います。頑張ってみてください。
(竹下歯科 竹下 英俊 先生)
(福井市歯科医師会)
※ 本文は歯科医療の観点より記載されております。