さっきまで機嫌良く遊んでいたのに、さあお休みなさいというときになって突然子どもが「はがいたいよ~!!」と泣き出しました。夜中では歯医者さんもやってないし・・・
夜中に子供の虫歯が痛み出したときの応急処置を簡単にまとめてみました。
ただし、虫歯は予防と早期治療が原則ということをくれぐれもお忘れなく!!
応急処置の仕方をいくつか覚えておきましょう。
- どの歯が痛いか探して、食べかすを取り除く。
最初に歯みがきをして、痛い歯を見つけて下さい。その歯にお肉や野菜の食べかすがはさまっていたら、糸ようじか爪ようじでそっと取り除いて下さい。これだけでも痛みがかなり治まることもあります。
- ほほ全体を冷やす。
痛い歯がある方のほほを、氷水につけたタオルを絞ったものや冷却シートで、全体をおおうように冷やして下さい。痛いところ一点だけを冷やすより効果があります。
- お風呂やこたつには入らない。
痛みは身体が暖まると増すので、お風呂やこたつに入ったり、ストーブの前に座ったりするのはやめましょう。
- 痛みが和らぐツボを押す。
手の親指と人差し指のまたの部分に『合谷』というツボがあります。このツボを押すと痛みが和らぎます。歯が痛い方の手のツボを押してみて下さい。
- 小児用の解熱鎮痛剤を飲む。
お薬を飲めるようであれば、市販の小児用の解熱鎮痛剤を飲みます。
もしも様々な処置をしても痛みがおさまらず顔が腫れているような場合には、歯以外の場所に炎症が広がっている可能性があります。口腔外科・小児科・内科などの標榜がある救急病院へ連絡してみて下さい。
また、翌朝、痛みがおさまったとしても、虫歯は自然に治りませんから必ずかかりつけ歯科医院を受診して下さい。
本格的に痛みを訴え出したり、目で見て穴があいていたら、その虫歯はかなり重症です。虫歯がどう進むのかを知って、お母さんも早めの対応が出来るようにしておきましょう。
白濁は虫歯の始まり!!
虫歯の最初は、歯の表面に現れる「白濁」です。健康な歯の表面はガラスのようにツルツルしていますが、すりガラスのように濁った見えてきたら危険注意報発令。この段階であれば、念入りな歯みがきや食生活に気をつけることで、本格的虫歯になることを防げます。仕上げみがきのときに子どもの歯をよく観察して見つけることも可能ですが、定期検診で専門家の歯医者さんに診てもらうことをおすすめします。
虫歯で茶色く変色し、ごく小さな穴があいても子どもは痛いと言わない事がほとんどです。お母さんにいち早く気づいてあげて欲しいと思います。この段階であれば、短時間で痛み無く治療することも可能です。歯の神経をとる必要はなく、削って詰め物をします。子ども本人が「いたい!!」と言いだしたら、おそらく目で見てもわかるくらい虫歯が進んでしまっています。歯医者さんに行くのが遅くなればなるほど時間もかかり、子どもさんにとってもつらい治療になるかもしれません。歯の神経を抜いたり、歯を抜くことにもなりかねません。乳歯の抜歯は、そのあとに生えてくる永久歯の歯並びに良くない影響もあるので早めの治療が必要です。
(福井市歯科医師会)
※ 本文は歯科医療の観点より記載されております。