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Vol.2 乳幼児から始まるお口の健康管理

最終更新日:2010年5月10日

歯ブラシとコップのイラスト お口の中の病気には、虫歯、歯周病、かみ合わせの異常などがあります。これらは治療しないで放置すると、物がうまく噛めない状態になってしまいます。だからこそ、歯やお口のケア、生活習慣の改善、定期的な健診などが重要なのです。

 私たちが、食事をする目的は、健康な体を作り、エネルギーとなる栄養を取り込むためです。その食事の際に、食べ物を上下の歯で噛んで、小さく、柔らかくして飲み込みやすくする運動を「咀嚼 そしゃく」といいます。咀嚼をすることにより、食べ物を細かく砕き、分解するために唾液が出てきます。唾液には粘膜などの組織の免疫を高める役割があります。動物が傷口をなめるのはこの免疫機能があるからです。また、咀嚼によって脳の機能が活発になることも分かってきました。高齢期に歯を失って、満足な咀嚼が出来ないと、認知症が進行しやすいとの研究報告もあります。このように健康な歯で噛むということは、単に栄養を摂るという事だけではなく、全身の発育、健康にとって非常に重要な事なのです。

 では、赤ちゃんのお口の中は、どのように変化していくのでしょうか。生後0ヶ月から5ヶ月位までは、無歯期といって全く歯は生えていません。歯がありませんから赤ちゃんは栄養を母乳又はミルクから摂ることになります。母乳をあげた後の口の中は唾液がきれいにしてくれますから掃除の必要はありません。ただし歯が生えるまでの準備として、口の周りを触ってあげ、触られることに慣れさせておくと良いでしょう。

 生後6ヶ月位になると、乳歯が顔を出してきます。歯は食べ物を咀嚼する器官ですから、哺乳から咀嚼へと発達するサインといっていいでしょう。最初は下の前歯が生えてきます、まずはガーゼや綿棒で拭う事から始めましょう。歯ブラシはお口の中を触られるのに慣れてから使い始めると良いでしょう。慣れていないのにいきなり大きな歯ブラシがお口の中に入ってきたら、赤ちゃんにとっては苦痛以外の何者でもありません。歯ブラシが嫌いになってしまいますので、焦らずに慣らしていくと良いでしょう。

 1歳半位になると、奥歯が生えてきます。奥歯は磨きにくいですし、噛む面に溝がありますので虫歯菌にとっては格好のすみかになります。この時期から、虫歯が多くなってきますので、なるべく小さい歯ブラシを使って、細かいところまで磨きましょう。歯と歯の間や、噛み合わせる面の溝は虫歯の好発部位ですから気を付けましょう。歯と歯の間はデンタルフロスといって、糸を使ってお掃除すると効果的です。
 
 歯ブラシの力加減ですが、お母さん方とお話をしていると、結構みなさん強い力で磨いてらっしゃるようです。もちろん強く磨けば汚れは取れますが、赤ちゃんにとっては痛みを伴うため、苦痛の時間になってしまい、結果的に歯磨きの嫌いなお子さんになってしまいますし、お口の中の粘膜に傷を付けてしまいます。虫歯菌は自らを守るために、プラークというネバネバ汚れを作ります。そのプラークの中にたくさんの虫歯菌が潜んでいて、歯を溶かす酸を大量に放出します。話を聞いていると怖いようですが、プラークはお風呂の浴槽のヌルヌル汚れと一緒です。浴槽の掃除にクレンザーを付けて、たわしで擦れば汚れは取れますが、浴槽に傷が付くと思います。ほとんどの方は、浴槽の掃除は中性洗剤を付けて、スポンジで軽く擦ってらっしゃるはずです。ですから弱い力でゆっくり磨いてあげれば十分なのです。
 

福井市歯科医師会

歯の心得

※ 本文は歯科医療の観点より記載されております。

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福井市 福祉部 子育て支援課
電話番号:0776-20-5270/FAX番号:0776-20-5490
最終更新日:2010年5月10日

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